はじめてのオーダースーツ

銀座の社長 × ペコラ銀座

日本でも有数のテーラーとして知られている
「ペコラ銀座」さん。
縁あって、銀座の社長(高橋一)が
初めてオーダースーツを注文することに。
生地を選ぶところから、出来上がりまで
全13回にわたって掲載いたします。

ペコラ銀座について

目次

第6回
2017.05.26
ヨーロッパの人は、
内ポケットをほぼつけない。
第7回
2017.06.02
洋服のバランスを見ることが、
とても大切。
第8回
2017.06.09
無地の裏地から、派手な裏地まで。
第9回
2017.06.16
「着たときの軽さ」を
心がけている。
第10回
2017.06.23
美しさと動きやすさの
バランスが難しい。
第11回
2017.06.30
「麻」は、ずっと人気。
第12回
2017.07.07
肩線は背中の方に作る。
第13回
2017.07.14
完成しても、お直しを。

第1回
一着作るとしたら、この生地を。

高橋:
初めまして、高橋と申します。
本日は、よろしくお願いします。
佐藤:
こちらこそ、よろしくお願いします。
なんか緊張しますね(笑)
一着作るとしたら、この生地を。
高橋:
いえいえ、僕もオーダースーツを
頼むのは
初めてなので
緊張しております(笑)
佐藤:
そこは緊張したもの
同士ということで(笑)
では、早速ですが、
どんなスーツをお考えですか?
高橋:
夏はほとんど着ないので、
3シーズンものを考えています。
佐藤:
わかりました。
ただ、昔の3シーズンだと
少し薄いかなという気がします。
それよりオススメは、
ちょっとだけ冬に合わせるくらいの方が
いいのかなと思います。
高橋:
そうなんですね。
オススメのものをお願いします。
佐藤:
色はダーク系がいいですか?
高橋:
ええ。ダーク系の方がいいですね。
佐藤:
無地っぽい方がいいですか?
高橋:
ああー。うーん。
そうですね。無地でも。 
まずは生地選びなんですね。
佐藤:
はい。こちらは、3シーズンもので
うちでいちばん出てる
タイプのものです。
「Fintex」というメーカーが
織っていた生地で
通称「80番(ハチマル番)」と
僕らは言っています。
10年くらい前まで
織られていた生地です。
定番の生地として
ずっと存在していました。
今も、同じシリーズは
あるんですけども、
やっぱり以前までの生地の方が
質感がいい気がするんですよね。
生地屋さんの在庫に
「80番」のシリーズが
残っていなかったので、
もうないものかと諦めていたら、
イギリスの倉庫にまだ残っていました。
高いまま残っていたこともあり、
そんなに売れていなかったみたいです。
そういうことならと、
倉庫にある生地をまとめて買うので
昔の値段ぐらいまで
落としてもらえないかと頼みました。
たとえば、
この一帯がみんなその生地です。
高橋:
紺もあるんですか?
佐藤:
紺系もありますが、
ふつうの無地は売り切れています。
ただ、このメーカーは、
細かい織り柄が定番なんですよね。
そんなに厚くないのに、出来上がると
洋服の質感が、ぐーっと出てくる。
柔らかさもありながら、
しっかり感もある。
こういう生地のタイプの中では、
いちばんいいなあって思います。
高橋:
そうなんですか。
佐藤:
色でいうと、
やっぱり紺系のものから
売れていきます。
あとこの辺もそうです。
微妙にどれも違うんですけどね。
高橋:
ほんとに微妙に違いますね。
綺麗ですねえ。
一着作るとしたら、この生地を。
佐藤:
こういうのは、ちょっと地味で、
落ち着いてるタイプが多くて、
ある程度、
年齢の高い人向けなんですが、
意外と若い人にも人気があります。
若い人でわざわざ
うちに来る方というのは
結局、いいものが好きで来る人。
そういう人が一度この生地を着ると
このタイプを選びます。
これだけで揃えていく人も
いらっしゃいます。
それに、手に入らないと知ると
余計、欲しくなるじゃないですか(笑)
高橋:
限定とか大好きですもんね。
佐藤:
こちらは、ちょっと後の
タイプになりますすね。
「870番」。これもいいんです。
ただ、微妙に値段が高い。
Fintexは服地の中の
王様のようなメーカーですが、
今は、日本の会社が
資本家になっているのかな。
高橋:
オーナーが日本の企業になっている。
佐藤:
そうなんです。
小さいメーカーなんですけど、
とくに昔のタイプはよくて揃っています。
一着作るとしたら、
この生地がいいかなと思っています。
高橋:
僕はもう佐藤さんのオススメの生地で。
佐藤:
僕のオススメはこれかな。
一着作るとしたら、この生地を。
高橋:
Fintexの80番。
佐藤:
ちょっとストライプになっていますが
ほぼ無地に近いし、
他の色が入ってるわけでもありません。
ヘリンボーンとも違います。
高橋:
確かにすごい綺麗ですね。
ちょっと色気も出そう。
佐藤:
他にも、たとえば細番手のものとか
光沢があるものとか、
そういう生地は今たくさんあります。
この生地はどちらかというと、
そんなに光沢はありません。
でも、光沢はあまりない方が
高級感は出ると思うんです。
高橋:
上質な雰囲気が出ますよね。
佐藤:
そうそう。
高橋:
上質でちょっと色気がある。
佐藤:
そうなんですよね。
光の当たり方でストライプが出てくる。
高橋:
これはどういう織りになるんですか?
佐藤:
ヘリンボーンの織りの
変則的な感じだと思います。
ただ、ヘリンボーンの織りと違って
幅が均等ではありません。
高橋:
へえ。綺麗ですね。
ほんとだ、光沢もありますね。
一着作るとしたら、この生地を。
佐藤:
柔らかすぎず、硬すぎず、品がある。
この太さがいちばんオススメです。
高橋:
いいと思います。
この生地だと3シーズン着られる?
佐藤:
3シーズン着られます。
秋ぐらいから
4月半ばくらいまで着られるかな。
では、こちらでいいですか?
高橋:
はい。

目次

第6回
2017.05.26
ヨーロッパの人は、
内ポケットをほぼつけない。
第7回
2017.06.02
洋服のバランスを見ることが、
とても大切。
第8回
2017.06.09
無地の裏地から、派手な裏地まで。
第9回
2017.06.16
「着たときの軽さ」を
心がけている。
第10回
2017.06.23
美しさと動きやすさの
バランスが難しい。
第11回
2017.06.30
「麻」は、ずっと人気。
第12回
2017.07.07
肩線は背中の方に作る。
第13回
2017.07.14
完成しても、お直しを。