Vol.8 All And Everything All In One By Handmade
2017.10.17 (Tue)こんにちわ。
今まではながーく使い続けていた品々について経緯を含めてお話してまいりましたが。
本日は昨今に購入した中から、特にお気に入りとなった逸品をご紹介致します。
All And Everything All In One Full Ordermade by Handmade
聞きなれないブランドと思われる方も多いかと思います。取り扱い全国でも当店のみにしかなくWEB上でも大々的な宣伝を行っていない、デザイナーの中川氏当人の手仕事によって作られるドメスティックブランド。
全くの情報なしのまま、というのもお客様へのご案内が難しくなってしまうので許可を頂き当店のウェブサイト上にて紹介ページを作らせてもらいました。ご興味がありましたらそちらもご覧ください。
All And Everything ブランドページ
一番に目を見張るのはやはり柄模様かと思います。Joli Fleurという日本のテキスタイルブランドなのですが、主に小物・バッグなどに最適な生地を作られているそうで、こちらも綿麻混紡のがっしりとした生地感です。
正直着用する衣類には向いてはいないのですが、中川氏から面白い生地を見つけたという連絡があり、インパクトに心惹かれ、アイデアを練りながら施工したのがこちらのオールインワンとなりました。
人体は基本背面から覆うような形で動きを追うようになっているため、後ろ身ごろが前身ごろに対して生地を多く取っています。その動きに縫い目が追い付いてくれるよう、アイロンによって生地を伸ばし曲線をつくり、縫い合わせることで上半身に多量の可動域を確保してます。肩部分に対してのこの製法はいせ込みと呼ばれ、主にスーツジャケットに取り入れられる技術ですが、このオールインワンにもふんだんに使われています。
袖部分はミニマルな印象を与えるためのプリーツが入っています。これが入るだけで上品なツナギという仕上がりになるんです。洋服って面白いですよね。
歩く際に足の動きを自然に追えるよう、股ぐりの部分はハンドステッチで仕立てられています。ミシンで仕上げていなかったのは、ハンドの方が動きに滑らかさが生まれるゆえの氏の哲学によるもの。
ボタンホールは全てハンドステッチによるかがり縫いの仕上がり。このホールの糸もそうですがAAEのブランドでは縫い糸はシルク糸を仕様しています。そして粋な計らいでアレンジをしてくれたのが、つなぎなのに止め部分にはスラックスに見られる”テング”が付けられています。内側でボタン留めをする機構ですね。
履いた際にスラックスのようなシルエットラインが出る為、踏襲したデザインとなっています。
そして最後に写真では伝わりにくいのですが、実はウエストポジションが2点設けられていて。これは上からジャケットなどを着た際に、ウエスト下の部分が自然にスラックスして見れるための試行でした。
ベルトループをハイウエストに位置にしてしまうとお腹にベルトを巻くようになってしまうので実用性とデザイン性の両立を図ったシルエットとなっています。
あまりのフルスペックなために長々と書いてしまいましたが、造りの軸はスーツを応用させた、カジュアルウェアの一線を越えているオールインワンと受け取っておりまして。
人生初のフルオーダーとして、満足を越えて感動する逸品となってくれました。
Jacket – NOR AUTONOM
All in one – All And Everything
Belt – Tim Hardy
Shoes – Edward Green
Socks – Pantherella
Ring – LAS Jewerly
Bracelet – British Vintage
纏ってみると足元まですっと落ちる綺麗なテーパードのシルエットラインと、前述したいせ込みによる絶大な可動域を備えます。それっぽくストレッチのポージングをしてますが、実際に体を最大限まで伸ばしています。生地が伸びているのではなく縫い目から”体に追い付く”という言葉がぴったりと当てはまる、AAEの手仕事ならではの着心地と動きやすさですね。
僕の体が固いので表現が映えず伝わりにくいかもしれませんが、こちらもめいっぱい引き延ばしています。
この柄模様はクセが強いものではありますが、ウール生地のヘリンボーンや、ピンストライプなど、生地を変えてオーダーされたいという方がいらっしゃいましたら当店にてご相談頂けます。
お気軽にお問い合わせください。
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