Vol.20 Barbour Pea-Coat Made in UK & Barbour How to Maintenance
2018.01.17 (Wed)こんにちわ。イギリスモノが好きな人にこそ憧れのブランドの一つと思います、英国発の漁師・作業用のための衣類を提供するジョン・バブアーによって設立したブランドBarbour。
Barbour Pea-Coat Made in England
僕にとって人生で初めてのBarbourであり唯一の1枚となっているBarbourからPea-Coatモデル。
昔から憧れ続けていたBarbourですが、いざどのモデルを買おうかずっと悩み続けていた折、渋谷の名店Illminateさんで購入させてもらった思い入れ深い1着。僕のお店もIllminateさんの影響は多大に受けていて、幅広いブランドのセレクションと目を見張るVintageのコレクション、それでいて洋服の奥深さと楽しさを常に発信し続けているセレクトショップの本質を捉えた服屋さんと感じています。
2010年頃にかった一着と思います。あまり見かけたことのない1枚と思いますが、ヨーロッパのみで展開していた国内には出回っていなかった逸品です。今ではBarbour Beaconというセカンドライン的なレーベルもあって生産国もまばらですが、こちらはMade in England生産が続いている中で企画された一品のようです。
そのためモデル名もなく内タグにはPea-Coatとだけ記載されています。
通常スナップボタンとなるBarbourの中で、縫いボタンというのも面白いディティールと思います。このボタンがですねー、まぁよく解れて取れるんですよ。襟元含めた合計10個、全て取れてすべて縫い直しております 笑
そしてリペア繋がりとして。去年の秋口に、着続けて7年目にして初めてのオイルリプルーフを行ってみました。
初めての試みということもあり失敗談も含めておりますが、リプルーフに興味のある方へのご参考になればと思い書かせて頂きます。
少々長くなってしまいますがよろしければお付き合いください。
1.準備
こちらが施工前の着っぱなしだった写真です。全体像で見た限りではオイルは程度よく残っておりますが、細かな部分を見ると色褪せの箇所がちらほらありましたので、頃合いと思いました。裏地のチェックは綺麗ですが、やはり布地ですので7年間分の埃が溜まっていると思うと重い腰をあげるには十分な理由です。
今回使うのはオイルドジャケットで著名な老舗イギリスブランド、John Partridge のリムーブソープ。ファクトリーに訪れた際に記念で買ったものです。特別これを使わないといけない、ということはないのですけどせっかくなので気持ち使ってみようかな、ってくらいですね。
2. 洗い
まずは汚れを落とすにあたってお風呂場で洗い流します。ウォームポケットやメインポケットもひっくり返してシャワーをあてながら内側のゴミを取っていきます。そのまま洗濯機に入れる、というのも出来なくはありませんが、実践した方の話を聞いたら異常な縮み方をしたそうです。手洗い最強ですね 笑
裏地は通常のコットン生地なのでスポンジに普通の洗剤を染み込ませ、叩きながら汚れを落とします。ここも変わり種ですが、このモデルは袖の裏地がポリエステルでして。さらっと着れるのは良いのですが、Barbourはどうしても蒸れるため脱いだ後にいつも汗染みが見受けられるんです。そのため袖周りは特に入念に洗いました。
表面に返してオイルのリムーブによる浸け洗いです。桶にぬるま湯(30℃程)を張って、全体を浸らせたら洗剤を入れてゆすぎます。リムーブソープにどれほどの洗浄力があるのかはよくわからないのですが、そんなにこすったりするイメージはなかったので適当適度でしたね。
3. すすぎと浸け置き
1枚目は最初に浸け洗いして出てきた濁り水です。この時生地をさわるとまだまだオイルっぽさが残っていたので念のため1日ほど洗剤を少量入れて浸け置きしました。2枚目がその写真なのですが、油分による濁りと洗剤の具合がまざった水の色になりました。浸け置きから2回ほどすすいだらネットに入れて脱水します。
4.乾燥
1週間、ハンガーに吊りっぱなしにして完全乾燥させました。びっくりするくらい色が褪せて軽くなりましたね。好みの着方ですがBarbourのオイルをわざと抜いて、これくらい軽くして着る方もいらっしゃいますね。
最初にその着方を発案した方は凄い発想力ですよね。
ところで、失敗体験その1として脇下のベンチレーションから思い切り浸水してしまい裏地と表地の間に水が溜まって乾きにくくなるという苦労を味わいました。
5.オイル準備
メインとなるオイル缶の準備です。蓋をした状態で湯煎します。蓋を開けると中はロウのように固型したオイルになっているのですが、
完全に溶かし切ることで透き通った綺麗なオイルになります。スポンジにこれを吸わせて塗っていきます。
6.リプルーフ
オイルを吸わせたスポンジで全体にまんべんなくオイルを塗っていきます。物凄い勢いで吸い込みます。
2枚目に関しては襟元のチンストなのですがオイルを入れたあとと入れる前の部分を比較すると完全に別の生地に思えますね。
7.オイル硬化
そしてここからが失敗談その2。このオイル缶、施工して10分~15分ほど経つと段々硬化してきてまた白く濁ってきます。こうなる前に湯煎をし直してシャバシャバしたオイルをキープしていかないといけないんですね。
「これくらいでも塗れるし大丈夫でしょう」なんて高を括っていたら、オイルを”入れ込む”から”すり込む”ようになって”塗り込む”ようになってしまいました。水っぽい具合からペースト状になってしまうんですね。
結果どうなったかというと
施工直後ということもありますが、ギラギラに銀面のように光を反射する具合となりました。オイルが厚塗りになってしまっているんですね。
やはり一筋縄ではいかない施工内容でした。それでも自分の1枚を自分でメンテナンスする、というのはこれ以上なく愛着が沸くもので、より一層手放せない1枚となってくれました。
そしてこの施工を行ったのは9月だったのですが、昨今になって大分ギラつきも落ち着いてくれまして。
Eyewear – 小竹長兵衛
Shirt – Tripl Stitched
Tie – Liberty London
Cardigan – John Smedley
Denim – RRL
Denim – 90s Clarks
Ring – Indian jewelry
こうして着てみると違和感ない風合いになりました。それでもまだまだオイリーですが撥水効果は十分に期待値が持てます。リプルーフをするとよりわかるのですが、生地の風合いがレザーというかラバーというか、なんとも言えない雰囲気に仕上がるんですね。いやぁ、たまらないです。
サイズ感はほーんの気持ち縮んだような気がしなくもないのですがこれくらいレイヤード出来るので問題ありませんね。一生モノとして着倒そうと思います。
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