はじめてのオーダースーツ

銀座の社長 × ペコラ銀座

日本でも有数のテーラーとして知られている
「ペコラ銀座」さん。
縁あって、銀座の社長(高橋一)が
初めてオーダースーツを注文することに。
生地を選ぶところから、出来上がりまで
全13回にわたって掲載いたします。

ペコラ銀座について

目次

第4回
アイビー調のスリーピース。

佐藤:
ベントはどうしましょうか。
真ん中の方が好きとかありますか?
それともアイビー調なら、
フックベントにしてみるとか。
高橋:
はいはいはいはい。
佐藤:
ああいうのも、もちろんできます。
高橋:
どうしようかな。
サイドベンツもある?
アイビー調のスリーピース。
佐藤:
サイドをオススメすることは多いです。 ただ、これは好みです。
高橋さんは元々アイビーが
好きだった背景があるので、
個人的にはフックベントの方が
いいかなと思っています。
昔から好きだったディティールを
一つ残しておくというのも
いいですよね。
ぜんぶアイビー調にするのではなく、
ご自分のアイデンティティーを
どこか一つにディティールとして残す。
そうすると、うちで作ってる他の服とも
みんな違いますし。
高橋:
なるほど。
それもいいかもしれませんね。
じゃあ、そうしますかね。
佐藤:
ただ、サイドの方が
着慣れているのであれば、
その方がいいかもしれません。
高橋:
サイドが多いことは多いですけどね。
でも全然それに
こだわっているわけではなくて。
センターだ、サイドだと
気にしたことはないです。
佐藤:
あと選ぶとすると、この生地は、
ドレッシーな感じにもなるので
ノーベントという選択も
あると思いますが、
ちょっとそれだと辛いですよね?
高橋:
ちょっとそれだと着づらいと思います。
あった方がいいとは思いますけど。
フックベントにしたときに、
そんなに違和感はありませんか?
佐藤:
うーん、ちょっと違うな、
という感じはあるかなあ。
ふつうは、あまりやらないんですね。
高橋:
やらない。うーん。
佐藤:
だから、ふつうはセンターかサイドか。
割合的にはサイドが多いって
感じですね。
ただ、高橋さんは、
シャツの襟の感じや、
ネクタイの感じなど、
雰囲気的に元々アイビーが
大好きだったという感じが伝わるんで
大丈夫かなとは思っています。
全く関係ない人がそうすると
変なんですけども、
高橋さんだったら、
いいんじゃないかなって。
高橋:
では、フックベントにします!
佐藤:
いいですか!?
アイビー調のスリーピース。
高橋:
はい、もう是非それで。
佐藤:
あと、袖ボタンは4つを
オススメしているんですけども、
いいですか?
高橋:
はい、4つでいいです。
大丈夫です。
佐藤:
裏地は総裏でよろしいですか?
高橋:
はい。
佐藤:
あと、ステッチですが、
スーツの場合、コバステッチが
端に入ってるんですよ。
高橋:
うわ、すっごい。見えませんね。
アイビー調のスリーピース。
佐藤:
はい、コバにずーっと細く
入っているんですよ。
高橋:
全然見えませんね。すごいですね。
佐藤:
こういうステッチの入れ方とかも、
先生のペコラさんは
すごく厳しい人だったんです。
高橋:
見えないですもんね、これ。
佐藤:
それで、そういうステッチもあるし、
違う幅で入れることもできます。
高橋:
それはもうほんとお任せしますよ。
全体の雰囲気の中で合う方で
お願いします。
僕はどっちでもいいので。
こういうステッチも
全然嫌いじゃないです。
佐藤:
ああ、そうですか。
では、そうしますね。
アイビー調のスリーピース。
高橋:
はい。
佐藤:
ズボンのタックは入れますか?
高橋:
そういえばタックが入ってるスーツは
あまり持ってませんね。
タックはいらないです。
佐藤:
ベストはつけますか?
高橋:
ベストはいらないと思うんですが、
どうなんですか。
佐藤:
この生地なら、ベストがあっても
自然だとは思いますよ。
高橋:
実はスリーピースを
一着も持ってないんですよ。
芝田:
そうですか。かっこいいですけどね。
佐藤:
うちは、ベストは工賃だけの設定で
やっています。
一般的には何割かプラスになって、
すごい値段になるんですけどね。
アイビー調のスリーピース。
高橋:
アイビー系でスリーピースって、
あるものなんですか?
芝田:
そういえば、
アイビー系のスリーピースは
あまりないかもしれませんね。
佐藤:
いや、私はあったと思うんですよね。
高橋:
アメリカンな感じで
スリーピースを着ているイメージが
あまりないといえばない。
でも、今回は別にアイビールックを
目指してるわけではないですもんね。
では、せっかくなので
ベストも一緒に作ります。
佐藤:
オリジナルな感じでいいと思います。
高橋さんらしい感じで。
高橋:
はい、ベストありでお願いします。
佐藤:
わかりました。

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