- 高橋:
- とにかく軽い。
どこか一点に重みがかからないことが
いちばん大きいんでしょうね、きっと。
- 佐藤:
- そうですね。
- 高橋:
- ぜんぜん本当に違う。
- 佐藤:
- ごめんなさい。
ベストだけ、
少し手直しをしたいと思うのですが。
- 高橋:
- ぜんぜん構いません。
- 佐藤:
- ちょっと、
もう少し詰めた方がいいかな。
- 高橋:
- 出きあがっても、
手直しをするんですね。
- 佐藤:
- はい、気になるところがあると
直すようにしています。
ウェストはどうですか?
これくらいでいいですか?
もうちょっとぴったりの方がいい?
- 高橋:
- いえ、これくらいがいいです。
- 佐藤:
- サスペンダーはいらないですよね?
- 高橋:
- いらないです。
サスペンダーはしないです。
- 佐藤:
- ちょっと座っていただいてもいいですか。
- 高橋:
- はい。
- 佐藤:
- 大丈夫ですね。はい。
(銀座の社長、元の服に着替える)
- 高橋:
- では、持ち帰るのは、
ベストが出きてからの方がいいですか?
- 佐藤:
- 上下だけお持ち帰りいただいても
大丈夫です。
ベストを後日、取りに来ていただければ。
- 高橋:
- では、今日、上下だけを持ち帰ります。
- 佐藤:
- わかりました。
パンツも、
簡単に折り目が消えないように
プレスを強くしてありますので。
- 高橋:
- ありがとうございます。
- 佐藤:
- あと生地のマークは、
つけた方がいいですか。
- 高橋:
- 生地のマーク?
- 佐藤:
- 生地のタグがあるんです。
日本では結構つけるんですけど、
ヨーロッパではめったにつけません。
- 高橋:
- 大丈夫です。いらないです。
- 佐藤:
- では、余り生地と一緒に入れておきます。
日本はどうしても
ブランド文化があるので。
- 高橋:
- こういう生地を使ってるんですよって。
- 佐藤:
- そうなんですよね。
- 高橋:
- どこにつけるんですか?
- 佐藤:
- メーカーによって、
お店によって違うんですけど、
こういうところ
(ジャケットの裏ポケの下あたり)
に
ペタッとつけます。
ただ硬いので、
お客さまに言われたときだけ
付けるようにしています。
- 高橋:
- へえ。
つけてください、
という方がいらっしゃるんですね。
- 佐藤:
- むしろ、つける方が多いかな。
ただ硬いのであまり好きじゃない(笑)
でもほんと、
これはすごくいい生地なんで。
なかなかいまは手に入らなくて。
- 高橋:
- Fintexですよね。
もうこの生地は
織られてないんですよね。
- 佐藤:
- この生地はもうないです。
この後継みたいな生地は
出ているんですけど、
ちょっと硬いので。
できるだけ昔の生地を探しています。
- 高橋:
- 切羽は、全部止めない方がいいですか?
- 佐藤:
- どちらでも。
一つだけ外す人が多いかな。
- 高橋:
- 裏地は派手な生地とか、
選ばれる方もいらっしゃるんですか。
- 佐藤:
- 3割くらいの方は
そういう生地を選びます。
でも、割合でいえば
無地の人が多いです。
高いので、
あまりススメません(笑)
イギリスから一着分の裏地として
取り寄せるので
けっこう高いんですよ(笑)
- 高橋:
- 一着分の裏地。はあー。
- 佐藤:
- けっこうなコストになるので
あんまりオススメしません(笑)
- 高橋:
- スーツを作りに来る方で
20代の方っていらっしゃるんですか?
- 佐藤:
- いらっしゃいます。少ないですけどね。
- 高橋:
- 20代くらいの方が
オーダーされるとなると、
お父さまが着ていたとか、
そういう理由なんですか。
- 佐藤:
- 結婚されて、
お父さまが息子のためにいいスーツを、
という方はポツポツいらっしゃいます。
ご自分からというのは、
かなり洋服が好きな方ですね。
20代後半〜30代前半くらいは、
ぱらぱらっといます。
それでも、少ないですけど。
- 高橋:
- いちばん多いお客さまというのは。
- 佐藤:
- 40代ですね。
僕が若かったときは
もっと多かったんですけどね(笑)
当然、同じように歳をとってくるので。
- 高橋:
- ありがとうございます。
ハンガーは、
このハンガーを使って大丈夫ですか?
- 佐藤:
- このハンガーの方が
いいかなと思います。
ちょっと軽いんですが、
ズボンが落ちないのと、
肩がしっかりと
かかるようになっています。
- 高橋:
- わかりました。
それでは、
いろいろとありがとうございました。
- 佐藤:
- こちらこそ、ありがとうございます。
では、明日のお昼までに
ベストを直しておきます。
- 高橋:
- わかりました。
お昼以降に取りに伺います。
どうもありがとうございました。
「はじめてのオーダースーツ」は
こちらで終わりとなります。
さいごまでお読みいただき、
ありがとうございました。