はじめてのオーダースーツ

銀座の社長 × ペコラ銀座

日本でも有数のテーラーとして知られている
「ペコラ銀座」さん。
縁あって、銀座の社長(高橋一)が
初めてオーダースーツを注文することに。
生地を選ぶところから、出来上がりまで
全13回にわたって掲載いたします。

ペコラ銀座について

目次

第13回
完成しても、お直しを。

高橋:
とにかく軽い。
どこか一点に重みがかからないことが
いちばん大きいんでしょうね、きっと。
佐藤:
そうですね。
高橋:
ぜんぜん本当に違う。
完成しても、お直しを。
佐藤:
ごめんなさい。
ベストだけ、
少し手直しをしたいと思うのですが。
高橋:
ぜんぜん構いません。
佐藤:
ちょっと、
もう少し詰めた方がいいかな。
高橋:
出きあがっても、
手直しをするんですね。
佐藤:
はい、気になるところがあると
直すようにしています。
ウェストはどうですか?
これくらいでいいですか?
もうちょっとぴったりの方がいい?
高橋:
いえ、これくらいがいいです。
佐藤:
サスペンダーはいらないですよね?
高橋:
いらないです。
サスペンダーはしないです。
佐藤:
ちょっと座っていただいてもいいですか。
完成しても、お直しを。
高橋:
はい。
佐藤:
大丈夫ですね。はい。
完成しても、お直しを。

(銀座の社長、元の服に着替える)

高橋:
では、持ち帰るのは、
ベストが出きてからの方がいいですか?
佐藤:
上下だけお持ち帰りいただいても
大丈夫です。
ベストを後日、取りに来ていただければ。
高橋:
では、今日、上下だけを持ち帰ります。
佐藤:
わかりました。 パンツも、
簡単に折り目が消えないように
プレスを強くしてありますので。
高橋:
ありがとうございます。
佐藤:
あと生地のマークは、
つけた方がいいですか。
高橋:
生地のマーク?
完成しても、お直しを。
佐藤:
生地のタグがあるんです。
日本では結構つけるんですけど、
ヨーロッパではめったにつけません。
高橋:
大丈夫です。いらないです。
佐藤:
では、余り生地と一緒に入れておきます。
日本はどうしても
ブランド文化があるので。
高橋:
こういう生地を使ってるんですよって。
佐藤:
そうなんですよね。
高橋:
どこにつけるんですか?
佐藤:
メーカーによって、
お店によって違うんですけど、
こういうところ
(ジャケットの裏ポケの下あたり)

ペタッとつけます。
ただ硬いので、
お客さまに言われたときだけ
付けるようにしています。
高橋:
へえ。
つけてください、
という方がいらっしゃるんですね。
佐藤:
むしろ、つける方が多いかな。
ただ硬いのであまり好きじゃない(笑)
でもほんと、
これはすごくいい生地なんで。
なかなかいまは手に入らなくて。
高橋:
Fintexですよね。
もうこの生地は
織られてないんですよね。
佐藤:
この生地はもうないです。
この後継みたいな生地は
出ているんですけど、
ちょっと硬いので。
できるだけ昔の生地を探しています。
高橋:
切羽は、全部止めない方がいいですか?
完成しても、お直しを。
佐藤:
どちらでも。
一つだけ外す人が多いかな。
高橋:
裏地は派手な生地とか、
選ばれる方もいらっしゃるんですか。
佐藤:
3割くらいの方は
そういう生地を選びます。
でも、割合でいえば
無地の人が多いです。
高いので、
あまりススメません(笑)
イギリスから一着分の裏地として
取り寄せるので
けっこう高いんですよ(笑)
高橋:
一着分の裏地。はあー。
佐藤:
けっこうなコストになるので
あんまりオススメしません(笑)
高橋:
スーツを作りに来る方で
20代の方っていらっしゃるんですか?
佐藤:
いらっしゃいます。少ないですけどね。
高橋:
20代くらいの方が
オーダーされるとなると、
お父さまが着ていたとか、
そういう理由なんですか。
佐藤:
結婚されて、
お父さまが息子のためにいいスーツを、
という方はポツポツいらっしゃいます。
ご自分からというのは、
かなり洋服が好きな方ですね。
20代後半〜30代前半くらいは、
ぱらぱらっといます。
それでも、少ないですけど。
高橋:
いちばん多いお客さまというのは。
佐藤:
40代ですね。
僕が若かったときは
もっと多かったんですけどね(笑)
当然、同じように歳をとってくるので。
完成しても、お直しを。
高橋:
ありがとうございます。
ハンガーは、
このハンガーを使って大丈夫ですか?
佐藤:
このハンガーの方が
いいかなと思います。
ちょっと軽いんですが、
ズボンが落ちないのと、
肩がしっかりと
かかるようになっています。
高橋:
わかりました。
それでは、
いろいろとありがとうございました。
佐藤:
こちらこそ、ありがとうございます。
では、明日のお昼までに
ベストを直しておきます。
高橋:
わかりました。
お昼以降に取りに伺います。
どうもありがとうございました。

「はじめてのオーダースーツ」は
こちらで終わりとなります。
さいごまでお読みいただき、
ありがとうございました。

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