はじめてのオーダースーツ

銀座の社長 × ペコラ銀座

日本でも有数のテーラーとして知られている
「ペコラ銀座」さん。
縁あって、銀座の社長(高橋一)が
初めてオーダースーツを注文することに。
生地を選ぶところから、出来上がりまで
全13回にわたって掲載いたします。

ペコラ銀座について

目次

第11回
「麻」は、ずっと人気。

佐藤:
あと、候補として
見てもらうとしたら水牛ボタン。
芝田:
わかりにくいんですけど、
水牛の角なんで黒っぽくても
茶色に見える。
「麻」は、ずっと人気。
佐藤:
場所によって、その色のトーンが
ちょっとずつ変わってきます。
芝田:
このボタンもすごく黒っぽいんですが、
角のちょっとした
まだら模様が入ってくる。
高橋:
確かに色の感じが違いますね。
茶色っぽく見える。
芝田:
黒というよりは、
こげ茶のすごく濃い色。
そういう感じですね。
高橋:
うんうん。そうですね。確かに。
じーっと見ていると
こげ茶に見えてくる。
うん、ナットボタンでいいと思います。
佐藤:
わかりました。では、そちらで。
高橋:
佐藤さんにお願いする人で
ラペルの小さい人は
珍しいんじゃないんですか。
「麻」は、ずっと人気。
佐藤:
珍しいですね。
太い襟が好きなお客さまが
多いとは思います。
高橋:
多いんですね。 夏になると
「シアサッカー」のような生地を
扱うことはあるんですか?
佐藤:
この何年か、リバイバルみたいな感じで
人気になっていますね。
一時期、
全然売れなくなっていたんですけど。
あと定番的に人気あるのは「麻」です。
高橋:
麻ですか。
あのくしゃくしゃ感が
いいんでしょうけど、
僕は気になってなかなか手が出ない…。
あれはそのシーズン、
くしゃくしゃのまま
着通すということなんですか。
佐藤:
いえ、マメにアイロンをかけた方が
いいでしょうね(笑)
それがちょっと面倒だとは
思うんですけど。
高橋:
やっぱり普通に
アイロンがけでいいんですね。
佐藤:
ズボンの折り目や、
上着の背中の部分を
かければいいと思います。
問題は着るたびに
アイロンをかける必要がある。
それがちょっと面倒ですよね。
高橋:
面倒ですよね…。
イタリア人は、
街中で着ているイメージが
あるんですけど、
日本で麻を着るイメージが
あまり浮かばない。
佐藤:
意外と暑いですしね。
実際そこまで涼しくない。
高橋:
しかも、くしゃくしゃになる。
ちょっと手が出しにくいという
感じがあります。
芝田:
パンツのクリースとかも、
気になりますよね。
高橋:
すごく気になります。
膝も出てくるし。
膝が出てくると、
カッコ悪いんですよね。
麻だからというのもわかっているけど。
それでも、人気があるんでしょうね。
生地の色も、いろいろあるんですか。
佐藤:
日本で人気があるのは紺ですね。
オフホワイトやキナリみたいな
明るい色の方がいいと思うんですが
紺が人気ですね。
ここ何年か、
うちがオススメしているのは、
明るめのグレーです。
着ている人が少ないことと、
もう一つ理由があります。
麻は、基本的に水洗いを毎シーズン、
よく着る人はシーズン途中で
一回洗います。
そうなると、
どうしても色落ちしやすい生地ですので、
やっぱり明るい色の方がいいんですよね。
そのときにグレーの明るい色は、
他の色と違って綺麗なんです。
「麻」は、ずっと人気。
高橋:
あまり見たことないですね。
佐藤:
何度か洗うと、
パール色の雰囲気に近くなります。
白とは違って、
シルバーみたいな明るさです。
派手でもなく、白のスーツにも見えない。
なので、麻は麻でも明るめのグレーは、
オシャレな感じがしていいですし、
他に着ている人もいないので
オススメしています。
それから、アイリッシュリネンは、
できるだけ薄手のものを作っています。
厚いアイリッシュリネンは、
日本では春先ぐらいしか
着られないので(笑)
薄手でも、暑いことは
暑いんですけどね。
なんとか我慢して着られるかなって。
ただ、特に海外に行ったとき、
麻はいちばん褒められます。
イタリア人も、
麻のスーツ着たいんだけど、
やっぱりみんなシワを気にする(笑)
みんな好きなんだけど、みんなが着てるものでもない。
だからこそ、みんな憧れてる。
それで、着てたりすると、
「いいなあ、いいなあ」と
言うわけですよ(笑)
高橋:
はああ。妄想が膨らみますね(笑)
グレーか。
相当オシャレな感じですよね。
あまり見たことないですもん。
「麻」は、ずっと人気。
佐藤:
まずそう売ってない。
高橋:
紺か、キナリ。
佐藤:
キナリだとカジュアルに
なりすぎる可能性があります。
高橋:
確かに。
リゾートみたいな感じが出ますもんね。
佐藤:
グレーだと地味なんですけど、
ふつうのグレーよりは、
すごく明るいので、
地味になりすぎない。
高橋:
なるほど。 今日は、ほんと
ありがとうございました。
佐藤:
いえいえ、とんでもないです。
高橋:
次回は、いよいよ完成。
芝田:
そうですね、
3週間〜1ヶ月後くらいには。
佐藤:
日にちを追ってご連絡いたします。
高橋:
わかりました。
よろしくお願いいたします。

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