はじめてのオーダースーツ

銀座の社長 × ペコラ銀座

日本でも有数のテーラーとして知られている
「ペコラ銀座」さん。
縁あって、銀座の社長(高橋一)が
初めてオーダースーツを注文することに。
生地を選ぶところから、出来上がりまで
全13回にわたって掲載いたします。

ペコラ銀座について

目次

第5回
ベルトをつけるか、つけないか。

佐藤:
襟はない方がいいですよね?
高橋:
わからないです。
ベストは着たことがないので。
わかんないですけど。
襟…、襟はなくていいですね。
なくていいです。
佐藤:
そうするとタックはあった方が
いいと思います。
でも、ノータックもできなくはない。
ベストがある場合、
股上はもう少し深めになります。
高橋:
なるほどなるほど。
ベルトをつけるか、つけないか。
佐藤:
一般的にワンタックとか、
ツータックの方が
合わせやすいんですが、
ほぼタックは入れてないんですよね?
高橋:
入れてないですね。
佐藤:
それならノータックでも
いいと思います。
僕もほとんどノータックです。
最近ノータックで
ベストを作ったりしてます。
今日履かれてるズボンよりも
股上はちょっと深くなります。
そうしないと
ベストが長くなりすぎてしまう。
高橋:
今日の私のズボンって
浅い方なんですか?
佐藤:
股上としては浅い方ですね。
あとはここはですね、ファスナー。
高橋:
まあ、それは好き嫌いですよね。
佐藤:
結構うちはボタンの人が多いんです。
面倒くさいとは思うんですけど(笑)
高橋:
ええ、面倒くさいですよね。
ファスナーでいいと思うんだけどなあ。
佐藤:
ファスナーですね。
では、ここはファスナーで。
ベルトループは
あった方がいいですか?
高橋:
あった方がいいですね。
どうなんですかね。
ベルトをつけるか、つけないか。
佐藤:
それか、
サスペンダーのボタンをつけて、
サスペンダーで吊る。
高橋:
そういうのもありますよね。
佐藤:
ベストを作るとなると、
あまりベルトではない方がいいんです。
高橋:
でも、いつもいつもベストを
つけるかどうか、
わからないですからね。
佐藤:
高橋さんは、
お腹が太ったり痩せたりとかは
ありますか?
ベルトをつけるか、つけないか。
高橋:
それはあんまりないですね。
今ぐらいのウエストで
ずーっときています。
佐藤:
それなら、
ベルトなしでもいいと思います。
高橋:
ベストを着ないときに、
ベルトなしの場合、
そんなに変じゃないですか?
佐藤:
はい、変じゃないですね。
高橋:
変じゃない。
ベルトのアクセントというか、
そういうものが全くなくても…
佐藤:
そうですね。
最近、増えていますね。
芝田:
ベルトレスですよね。
高橋:
それ、悩むところですね。
いちばん悩みますね。
ベルトレスのスーツは
一着も持ってないんです。
ベルトレスのパンツ自体も
一着あるかどうか。
相当、悩みますね。
そこはなんか悩みますね。うーん。
どうなんでしょう。
確かにスリーピースなら、
ない方がいいんだろうな、
というのはあるかなあ。
佐藤:
スリーピースで着る頻度の方が
少ないでしょうからね。
高橋:
多分、少ないと思います。
佐藤:
ベルトレスも
慣れるとすごくいいんですよ。
楽チンなんです。
ここ2年ぐらいで増えましたね。
高橋:
他の方もベルトレスを
頼む方が多いんですか。
佐藤:
多いというか増えましたね。
割合としては半分くらい。
芝田:
ベルト派が若干有利ですかね。
高橋:
若干有利(笑)
そこは悩むなあ。
ベルトしないことがほとんどないので
想像がつかないというか。
ベルトをつけるか、つけないか。
佐藤:
それならベルトは
あった方がいいですかね。
高橋:
ベルトしないでスーツ着たことが
たぶん1回もないと思うんで。
…あ!そんなことない!
佐藤:
(笑)
高橋:
トム・ブラウンはベルトレスですよ。
でもあれ、特殊だからな。
深くまで股上もあって、
パンツはつんつるてんだし。
 ー:
そのときの着心地はどうなんですか?
高橋:
別に悪くないよ。
特殊なやつだからさ。
 ー:
でも、今回はトム・ブラウン以上に
特殊なスーツになる
可能性はありますよね。
高橋:
ほんとだね。あー、悩む(笑)
その部分は、
明日お電話とかでも大丈夫ですか?
佐藤:
仮縫いのときでもいいですよ。
高橋:
では、ベルトのところだけは考えます。
うーん、どうなんだろうなあ。
ふつうのスーツでベルトレスになる
ということですよね。
佐藤:
そうですね。 裾はシングルがいいですか?
それともダブル?
高橋:
うーん、全体の雰囲気からしたら
どちらがいいですか?
佐藤:
どっちだろうなあ、ダブルですかね。
高橋:
おそらく靴は、
オールデンのウィングチップあたりを
合わせると思うんですよね。
佐藤:
ダブルかなあ。
フックベントなど、
そういうところのアクセントで、
少しカジュアルになってるんですよね。
だからダブルの方が
落ち着く気がします。
佐藤:
ただ、
いつもシングルばかりだとしたら、
シングルの方がいいかな。
高橋:
うんうん。
ちょっと色気があるからシングルでも
いいような感じがしますね。
佐藤:
そうですね。
シングルでも綺麗に見える
生地だと思います。
ベルトをつけるか、つけないか。
高橋:
ね。
ちょっとこう色気がある感じが
しますよね。
佐藤:
保留にしてみましょうか?(笑)
高橋:
悩むねえ。悩むよなあ。ほんとに。
保留される方は珍しいんですか?
佐藤:
いえいえ、そんなことないですよ。
今回、生地が早めに決まったんで。
ふつう生地選びに
時間がかかるんですよ。
高橋:
いまみたいなたとえば
ベルトレスの話とか、
シングル、ダブルの話とかは
仮縫いのときで
大丈夫だったり
するものなんですか?
佐藤:
大丈夫です。
高橋:
せっかく、こういう生地なので、
ちょっと色っぽくしたいな、
という感じはありますけどね。
佐藤:
はい。
高橋:
まあ、たぶん生地がこれだから、
ダブルでも色っぽくは
なるんでしょうね。
佐藤:
そうでしょうね。
生地の感じからすると、
シングルの方が合うとは
思うんですよね。
高橋:
そんな感じがしますよね。
シングルがいいかな。うん。
佐藤:
いちおうシングルにしておきます。
高橋:
うん。いいんじゃないでしょうか。

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