はじめてのオーダースーツ

銀座の社長 × ペコラ銀座

日本でも有数のテーラーとして知られている
「ペコラ銀座」さん。
縁あって、銀座の社長(高橋一)が
初めてオーダースーツを注文することに。
生地を選ぶところから、出来上がりまで
全13回にわたって掲載いたします。

ペコラ銀座について

目次

第7回
洋服のバランスを見ることが、
とても大切。

高橋:
こんにちは。
本日もよろしくお願いいたします。
佐藤:
こちらこそ、
よろしくお願いいたします。
では、こちらを着ていただいて
いいですか。
洋服のバランスを見ることが、とても大切。
 ー:
おおー。
高橋:
どうでしょう。
タックは入った方がいいですか?
佐藤:
どちらでもいいと思いますが、
スリーピースの場合、
タック付きの方が多いですね。
高橋:
佐藤さんのそのスボンには入ってる?
佐藤:
僕は入っていません。
ノータックの方が好きなので(笑)
高橋:
そうですか。
佐藤:
もう少し腿は細くしますね。
裾口がこれくらいの細さだったら、
もうちょっと短くていいと思います。
佐藤:
もしくは、もう少し裾口を太くして
ストレートにする。
高橋:
なるほど。
せっかくだから太くてもいいかなあ。
佐藤:
もうちょっとストレートでも
いいと思います。
クラシックな感じも出て。
高橋:
クラシック…。
そういう感じもいいですね。
佐藤:
いま決めていただかなくても、
次回の中縫いのときに
また確認しますね。
佐藤:
ベルトループはどうですか?
これくらいでいいですか?
もうちょっとゆったりします?
高橋:
あ、いえ。
佐藤:
これくらいで。はい。
洋服のバランスを見ることが、とても大切。
 ー:
かっこいいですね。
見たことのない人がいる。
高橋:
へっへ(笑)
ベスト着たことなかったから。
佐藤:
べストの丈を1センチほど短くしますね。
ほんのちょっと短くします。
高橋:
はい。
佐藤:
着丈は1センチ詰めてもいいかな。
洋服のバランスを見ることが、とても大切。
高橋:
おお。
ちょっとクラシックな感じで
いいですね。
佐藤さんにお任せします。
佐藤:
では、少しお詰めしていいですか。
高橋:
はい。
佐藤:
いくつか詰めて補正します。
背中もすごい綺麗です。
佐藤:
ズボンのタックどうしましょうか?
高橋:
今、ものすごくラクです。
佐藤:
ノータックの方がスッキリしてて
いい気がしますね。
高橋:
はい。
佐藤:
ではノータックで。
洋服のバランスを見ることが、とても大切。
 ー:
先ほどのチェックは、
細かいサイズ感を
確認していたんですか?
佐藤:
そうですね。
今のサイズ感がその人に
合っているかどうか、
それを見ることが大事なんです。
たとえば上着に関しては、
肩が上がっている、下がっているとか、
着丈が長い、短いとかをチェックします。
いちばんきちっと見なければいけないのが
洋服のバランスが
合っているかどうかです。
そこがまずいちばん大事ですね。
 ー:
着てみると、
イメージと違うことがある。
佐藤:
そうそう、そうなんです。
全体のバランスを見て、
細かいところを修正していきます。
あと、その人の好みも
あったりしますよね。
高橋さんの場合、
ある程度お任せしていただいたので、
聞かずにどんどん進めていきましたが、
お客さまの好みをよく聞いて
作ることもあります。
最近はいろんなデザインがありますし、
ゆったりが好きな人や、
タイトめが好きな人など、
お客さまの好みも広いので。
 ー:
お客さまから
デザインの要望があるんですね。
佐藤:
あります。少ないですけどね。
ただ、大事なのは洋服のバランスです。
やっぱり人それぞれみんな違うので。
先ほど、袖を取って
アームホールを見ましたけど。
袖を取った状態で見るのが
いちばん間違いがないんですよ。
洋服のバランスを見ることが、とても大切。
高橋:
そうなんですか。へえ。
佐藤:
イタリアだと初めから袖をつけないで
仮縫いすることがほとんですからね。
高橋:
思い切りバリバリって
引き裂いて(笑)
びっくりしちゃいました。

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